この記事でわかること
・「アントニガウディ」というスポット名の正式な由来と発見の経緯
・水深20〜33mに広がる5つの穴・3つの穴・2又の穴、3つの絶景ポイントの詳細
・潜るために必要なライセンス・スキル条件とガイドの判断基準
「アントニオガウディ」と検索してこの記事にたどり着いた方に、まず一点お伝えしたいことがあります。
スペイン・カタルーニャの建築家の正式名称は、カタルーニャ語で「Antoni Gaudí i Cornet(アントニ・ガウディ・イ・コルネット)」。スペイン語(カスティーリャ語)の「Antonio」ではなく、カタルーニャ語の「Antoni」が正式表記です。サンアイランドでは、この正式名称に敬意を払い「アントニガウディ」と呼んでいます。検索される方に見つけていただきやすいよう、この記事のタイトルには「アントニオガウディ」と記載していますが、本文では正式名称「アントニガウディ」で統一します。
さて、その建築家の名を冠するほどの造形とは、いったい何なのか。ガイド歴30年・潜水本数10,000本以上の経験を持つサンアイランド竹内が、現場の言葉でお伝えします。
「アントニガウディ」というスポット名の由来
このスポットがダイビングスポットとして使われるようになったのは、1990年代前半のことです。当時、宮古島のダイビングショップはまだ10軒程度しかなく、各ショップが営業しながら伊良部島・下地島エリアの調査を共同で行っていました。その過程で発見されたスポットのひとつが、今で言うアントニガウディです。
下地島のダイビングスポットとしては後発の部類に入りますが、発見したダイバーたちはすぐにその造形の異質さに気づきました。高さ15m×幅15mほどの棚を貫く巨大なホールに、複数の穴が密集して存在し、立ち位置をわずかに変えるだけで穴の見え方がガラッと様変わりする、その「不規則でありながら美しい」構造が、あの建築家アントニ・ガウディが設計した建築物と重なったのです。
こうして「アントニガウディ」という名前がつけられ、今では宮古島ダイビングを代表する三大地形スポットのひとつとして広く知られるようになりました。
スポットの構造—水深20mから33mの立体的な造形美
水深20mから40mの棚の上面から側面にかけて穴が開いており、ホールの内部から見上げると、160度前後の視野に合計5つの穴が広がります。穴と穴の間隔が近く、見る角度によって穴の重なり方・光の入り方・青の濃淡がすべて変わる。同じスポットにいながら、立ち位置を変えるたびに別の景色に出会える。これが他のホール系スポットとの決定的な違いです。
宮古島には「35ホール」「女王の部屋」「魔女の部屋」といったホール系スポットがありますが、これらはいずれも平面的な穴の造形です。海外に目を向けると、パラオの「ブルーホール」が有名ですが、ホール自体の高さ・幅はアントニガウディより大きいものの、穴が集中しているわけではなく、穴の造形美を楽しむというよりホール内の空間スケールがメインの印象です。
穴の密度と立体的な造形という点で、アントニガウディは世界的に見ても唯一無二の存在だとワタシは確信しています。
ガイドが30年間必ず見せる「3つの絶景ポイント」
アントニガウディには、ワタシがゲストに必ず見てもらう場所が3つあります。
①水深32m—5つの穴が160度に広がるテッパンの景色

水底に着底し、岸寄りの壁面を背にして見上げたこの景色が、アントニガウディを象徴する造形美です。「宮古島 ダイビング アントニオガウディ」で検索すると必ず紹介される、このスポットの代名詞とも言える景色がここにあります。
160度前後の視野に5つの穴が広がり、それぞれの穴から差し込む光の色と強さが微妙に異なります。穴の形も一つひとつ違う。それが重なり合い、水底から見上げた瞬間に言葉を失うほどの景観が生まれます。
②中層—3つの穴が折り重なる吹き抜けの空間

水深32mから20mまで吹き抜けたエントランス状の広い空間があります。その中層から頭上を見上げると、3つの穴が折り重なるように連なる造形が現れます。
この場所は、ホールへの入口でもある吹き抜けの空間全体を感じられるポイントです。光が上から降り注ぎ、3つの穴が生み出す青の濃淡と奥行きが、まるで天然の建築物の中にいるような感覚をもたらします。
③水深28m—2又の穴とクレパスが刻む造形

水深28mの棚の側面に、2又に分かれた穴と棚を切り裂くようなクレパスの造形があります。ここは、メインの5つの穴とはまた異なる表情を持つポイントです。
穴が2又に分岐する様子と、棚を縦に切り裂くクレパスのシャープな造形が組み合わさり、他では見られない独特の景観を生み出しています。
この3つのポイントをすべて楽しむためには、一方向だけを見るのではなく、立ち位置を変え、見上げたり振り返ったりしながら視線を動かし続けることが大切です。同じ水深にいながら、視点を変えるたびに別の造形と出会えることが、アントニガウディという場所の本質的な魅力です。
潜るために必要な条件—スキルがなければ「ただ潜っただけ」になる
アントニガウディは、水深が深く景色を楽しむスポットだからこそ、自分自身に余裕がなければその素晴らしい造形を感じることができません。
このスポットの潜り方は、沖に向かって水深10mをキープしながら中層移動し、ホール際まで進んだのち深度を下げてホール内に侵入します。最大水深は32〜33m。そこからゆっくりホールを周りながら造形を見て、棚のトップ(水深20m)まで深度を上げた後、中層移動で船に戻るルートをとります。
呼吸が整っているか、中性浮力をしっかりキープできるか、周りを見渡す余裕があるか、これらが備わっていないと、造形を楽しむ前にガスや減圧の管理で頭がいっぱいになってしまいます。最大水深30mを超えるルートだからこそ、減圧不要限界とガス消費量に十分なゆとりを持たせたコース取りが必須です。
サンアイランドの参加目安
・ライセンス:アドバンスドオープンウォーターダイバー以上
・スキル:中性浮力・中層での深度キープ・スムーズな圧平衡・ガイドを指標にした中層移動
上記を満たしていても、当日の体調・スキル・ガス消費量を現場で確認した上で最終判断します。条件を満たしていれば、サンアイランドのファンダイビングでご案内が可能です。
アドバンスドオープンウォーターダイバーの取得を検討されている方はアドバンスドオープンウォーターダイバーコースをご覧ください。
リピーターIさんの言葉が、全てを語っている
潜り終えたゲストが口にする言葉は、毎回似ています。造形に感動し、興奮冷めやらぬ表情で話してくれる。
中でもワタシの印象に強く残っているのが、アントニガウディを何より愛するリピーターIさんです。潜り終えるたびに、にこやかな表情でこう話してくれます。
「もぉ、絶叫ですよー!穴の造形がほんと素晴らしい。内部から穴越しの青にいつも魅了されるんですよ」と。
何度潜っても同じ感動が待っている。それがアントニガウディというスポットの力です。
アントニガウディに関するよくある質問(FAQ)
Q. 「アントニオガウディ」と「アントニガウディ」、どちらが正しいですか?
A. 建築家の正式名称はカタルーニャ語で「Antoni Gaudí(アントニ・ガウディ)」です。スペイン語の「Antonio」ではなく「Antoni」が正式で、サンアイランドでは「アントニガウディ」と呼んでいます。
Q. 体験ダイビングでアントニガウディに潜れますか?
A. 最大水深33mに達するスポットのため、体験ダイビングでのご案内はできません。アドバンスドオープンウォーターダイバー以上のライセンスが必要です。体験ダイビングでは下地島エリアの浅瀬スポットをご案内しています。
Q. OWライセンスを持っていれば潜れますか?
A. OWライセンスの最大水深は18mであるため、最大33mに達するアントニガウディへのご案内は難しい状況です。アドバンスドオープンウォーターの取得をおすすめします。
Q. アントニガウディは宮古島のどのエリアにありますか?
A. 下地島エリアに位置します。サンアイランドのファンダイビングでは伊良部島・下地島を中心にご案内しています。宮古島ダイビングスポット一覧で他のスポットもご確認ください。
Q. アントニガウディはどの季節が見頃ですか?
A. 透視度が上がる秋〜冬(10〜2月頃)は特に穴の青さが際立ちます。ただし年間を通じて潜れるスポットです。シーズン別宮古島の見所もご参考ください。
まとめ
【スポット名の由来】1990年代前半に発見され、不規則でありながら美しい穴の造形が建築家アントニ・ガウディの作品と重なったことからその名がつきました。正式名称はカタルーニャ語の「アントニガウディ」です。
【唯一無二の造形】水深20〜33mの棚に5つの穴が密集し、立体的に重なる造形は世界でも類を見ません。立ち位置を変えるたびに景色が変わる、見る角度の数だけ感動がある場所です。
【3つの絶景ポイント】水深32mの5つの穴・中層の3つの穴・水深28mの2又の穴とクレパス。この3ポイントを視線を動かしながら楽しむことで、アントニガウディの真髄に触れられます。
【参加条件】アドバンスドオープンウォーターダイバー以上・中性浮力・ガス管理・中層での深度キープが必須。スキルが整ってこそ、造形を感じるゆとりが生まれます。
🤿 ガイドの一言
30年間、何度案内しても飽きることがないスポットがあるとしたら、アントニガウディはその筆頭です。水底から5つの穴を見上げた瞬間、ゲストさんの動きが一瞬止まります。言葉より先に身体が反応する。それくらいの造形美がそこにあります。「アントニオガウディ」と検索してたどり着いた方に伝えたいのは、ぜひ正式名称「アントニガウディ」と呼んでほしいということ。その名前の重みを知った上で潜ると、また違った感動があるはずです。
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