この記事でわかること
・宮古島の環境がダイビング器材に与える影響
・塩がみ等を防ぐための正しい洗浄・保管方法
・ダイビング器材を長持ちさせるためには
皆様はご自身で使われているダイビング器材は正しい方法で洗浄・保管できていますでしょうか?
ダイビング器材は海水や砂、紫外線の影響を日々受けており、使用後のお手入れや保管方法によって寿命や快適性が大きく変わります。特に宮古島のように紫外線が強く、潮風や高温多湿の環境では、器材にかかる負担も少なくありません。
「久しぶりに使おうと思ったらファスナーが開かない」「ベルト類が硬くなっている」「レギュレーターの石灰付着やサビ(緑青)が目立つ」「久しぶりに使ったらマスクのバンドがちぎれてしまった」など、こうしたトラブルの多くは、塩分の残留や不適切な保管方法によって起こります。
大切な器材を長く安全に使い続けるためには、ダイビング後のひと手間がとても重要です。今回は、器材の保管方法と塩がみ対策について、宮古島ダイビングガイド歴4年のわたし・池田が詳しくご紹介していきます。
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ダイビング器材の天敵「塩がみ」の正体と起こりやすい場所

塩がみとは、海水に含まれる塩分が器材の内部や可動部分に残り、結晶化することで動きが悪くなったり、固着したりする現象です。
特に以下の部分で起こりやすいです。
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スーツやブーツ、メッシュバッグなどのファスナー部分
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BCDのバックル、ベルト
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レギュレーターの可動部
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BCDのインフレーター
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中圧ホースのカプラー
放置すると操作性が悪くなるだけでなく、故障や修理費用の増加にもつながります。
宮古島特有の過酷な環境がダイビング器材に与える5つのダメージ
宮古島の美しい海を楽しむ反面、この島の気候はダイビング器材にとって非常に過酷な環境でもあります。
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強い紫外線: 宮古島では年間を通して紫外線が強く、ゴムや樹脂パーツの劣化をはやめます。
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高温多湿: 湿気によって金属パーツにサビ(緑青)や器材内部にカビが発生しやすいです。
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潮風: 器材を海に入れていなくても、潮風に含まれる塩分が付着してしまいます。
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長期間の未使用: 正しく洗浄されていないと、しばらく使わないことで塩分が固まり、可動部が固着しやすくなります。
- 宮古島の水道水:カルシウム・マグネシウムなど石灰分を非常に多く含んだ「硬水」で、レギュレターなど金属部を長時間漬け置きをしていると、表面に付着する。
プロが解説!ダイビング器材を長持ちさせる正しい洗浄方法
ダイビング器材を長く快適に使用するためには、ダイビング後にしっかりと真水で洗浄することがとても重要です。
ダイビング後は疲れていて、「今日は簡単に流すだけでいいかな」と思ってしまうこともあるかもしれません。しかし、このひと手間を丁寧に行うかどうかで、器材の寿命は大きく変わってきます。ここからは各器材にわけて、おすすめの洗浄方法をご紹介していきます。
① BCDの洗浄(外側とブラダー内部の塩抜き)
BCDは中までしっかり洗うのが基本です。
インフレーターからBCDへ真水を入れて中を洗浄
ダイビング中は、BCDのブラダー(空気をためる袋)の内部にも海水が入り込むことがあります。そのため、外側だけでなく内部もしっかり洗浄することが大切です。 ブラダー内部を洗う際は、インフレーターの排気部分から排気ボタンを押しながら真水を入れます。ホースで直接水を入れてもよいですが、水をためた桶の中で排気ボタンを押しながらホースで吸水させると、比較的スムーズに真水を取り込むことができます。
入れる水の量は、BCDを動かしたときに内部で「ジャバジャバ」と音がする程度で十分です。パンパンに入れる必要はありません。真水を入れたらBCDを膨らませて軽く上下左右に揺すって内部全体に行き渡らせます。その後、BCDを逆さにしてインフレーターから排水、または腰や肩辺りについている排気バルブから排水しましょう。一度じゃ抜けきれない場合が多いので、2、3回この工程を繰り返すことをおすすめします。
② レギュレーターの洗浄(ファーストステージの水没に注意)
セカンドステージ、残圧計、中圧ホースは可能であればこちらも真水が溜まった桶などにつけましょう。ただし、ファーストステージは絶対に真水の中に漬けないでください。真水の中でセカンドステージや中圧ホースのカプラーなどの可動部を動かしながら洗います。水の中で動かすことで隙間に溜まった塩分や汚れを出すことができます。
水に漬けるのは、手短にしたのち、最後にファーストステージ部を弱めの流水で洗い流し終了です。
③ フィン・マスク・スノーケルの洗浄
軽器材は真水につけておいて、手で擦りながら洗っていただければ大丈夫です。ストラップ型のフィンの場合はストラップ部分に塩が残りやすいので水の中でストラップを動かして洗ってください。
マスクは基本的に真水でしっかり洗い流すだけでも十分ですが、顔に日焼け止めを塗っていたり、皮脂が付着していたりすると、レンズやシリコン部分に油分が残ることがあります。こうした汚れをそのままにしておくと、レンズの曇りなどの原因になることもあるため、気になる場合は食器用の柔らかいスポンジと中性洗剤を使って、洗ってください。
④ ウェットスーツ・ドライスーツの洗浄
ウエットスーツは真水につけて、手でもみ洗いをして塩抜きを行います。真水のみでもよいですが、洗濯用の中性洗剤を少し入れると洗浄効果は高まります。スーツもファスナー部分は水の中で数回動かして塩分を落とします。
ドライスーツの場合はファスナーが閉まっていることを確認してからファスナーと給排気バルブを中心に真水をかけ、可動部を動かしながら洗います。
サビやカビを防ぐ!器材を乾燥させる際の大切なポイント
洗浄後、水分が残っているとカビやサビの原因になります。
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風通しのよい日陰で干す
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直射日光を避ける
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完全に乾いてから収納する
宮古島では日差しが非常に強いため、直射日光に長時間当てるとゴムの劣化が進みます。 また、BCDやセカンドステージの内部、スノーケルの接続部分などは、外部が乾いていても、内部に水が残っていたり、片付ける時に水が出てくることが多いです。例えば、以下のような工夫がおすすめです。
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BCD: 干す時はインフレーターが下向きになるように逆さに吊るして干すことで、ブラダーに残った水が下に集まって排出しやすくなる
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レギュレーター: 干す前に軽くセカンドステージを振って内部の水を抜き、水が自然に抜けやすい向きで干す
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スノーケル: マウスピースなどの接続部分を外せる場合は分解して、内部までしっかり乾燥させる
ダイビング器材の理想的な保管場所
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直射日光が当たらない
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風通しが良い
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湿度が少ない
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高温にならない
クローゼットで保管する場合は、除湿剤を入れて保管するのがおすすめです。
定期的なオーバーホールと使用前の器材メンテナンス
どれだけ丁寧に洗浄・保管を行っていても、内部パーツの経年劣化を完全に防ぐことはできません。見た目はとても綺麗な状態でも、実際にダイビング当日にセッティングしてみると、レギュレーターがフリーフローしてしまったり、ホースからわずかにエアが漏れるといったトラブルが発生することも珍しくありません。
こうした不具合を未未然に防ぐためにも、レギュレーターやBCDは基本的に年に1回を目安にオーバーホールへ出すことをおすすめします。オーバーホールでは、内部のOリングや消耗部品の交換、各部の洗浄・点検・調整を行うため、目に見えない部分の劣化にも対応することができます。期間としては大体1ヶ月ほどかかることが多いです。ダイビングに行く予定がある場合は、前もってオーバーホールに出しておくのをおすすめします。
マスクやフィンなどの軽器材についても、ダイビングに出かける前にしっかり点検しておきましょう。特にマスクは、ご自身のものを使用されている方が多く、使用頻度が高い器材のひとつです。顔に密着するシリコンスカートやマスクバンドに亀裂や硬化がないかを確認しておきましょう。スカート部分にわずかな切れ目があるだけでも、そこから水が入り込みやすくなります。
実際に、久しぶりのダイビングで長期間保管していたマスクを使用した際に、「装着した瞬間にマスクバンドが切れてしまった」「シリコンスカートが変形していて、水中で何度も浸水してしまった」といったトラブルが起こってしまったのを何度が目にしたことがあります。
こうしたパーツは消耗品ですが、多くのメーカーではマスクバンドやシリコンスカート、フレームなどを単品で購入することができます。そのため、マスク本体を丸ごと買い替える必要はない場合も多く、必要な部分だけ交換することで再び快適に使用できます。購入したダイビングショップや器材店で交換作業を行ってくれることも多いため、「自分で交換できるか不安」という方でも安心です。
せっかくのダイビング当日に器材トラブルで困らないよう、事前に状態を確認し、気になる部分があれば早めに交換・メンテナンスを行っておきましょう。
ダイビング器材のメンテナンスでよくある質問(FAQ)
Q1. ダイビング器材は毎回真水でしっかり洗う必要がありますか?
A1. はい、基本的にはダイビング後に毎回しっかり真水で洗うことをおすすめします。海水に含まれる塩分や汚れをそのままにしておくと、塩がみやサビ、カビの原因になります。 ただし、連日ダイビングをされる場合は、毎日ダイビング後に全体を真水で軽く流して塩分を落とし、最終日に器材の内部まで含めてしっかりと洗浄すれば問題ありません。
Q2. 頻繁に使っていなかったらオーバーホールは必要ないんじゃない?
A2. 使用頻度が少なくても、オーバーホールは定期的に行うことをおすすめします。 レギュレーターやBCDの内部には、ゴム製のOリングや各種パーツが使用されています。これらは使用していなくても、時間の経過とともに硬化したり、ひび割れたりして少しずつ劣化していきます。「ほとんど使っていないから大丈夫」と思っていた器材でも、数年ぶりに使用した際に不具合が見つかることは珍しくありません。年1回程度のオーバーホールを行うことで、安心してダイビングを楽しむことができます。
Q3. ウエットスーツやブーツのファスナーの動きが悪いです。買い換えたほうがいいですか?
A3. すぐに買い換える必要はありません。ダイビング器材のファスナーの動きが悪くなるのはほとんどの場合、塩がみが原因です。真水につけた状態で数回ファスナーを動かして洗浄する、またはシリコンスプレーなどの潤滑剤を使用するとスムーズに動くようになることがあります。ただし、ファスナーがかけていたり、生地から剥がれている・破れている場合は修理や交換が必要になります。
まとめ:愛着のあるマイ器材を正しいメンテナンスで守ろう
宮古島の強い紫外線や潮風、高温多湿の環境、水道水は、ダイビング器材にとって想像以上に過酷です。海水に含まれる塩分をそのままにしておくと、塩がみやサビ、カビ、パーツの劣化につながり、思わぬ器材トラブルの原因になることがあります。
しかし、ダイビング後にしっかりと真水で洗浄し、内部まで十分に乾燥させて適切な場所で保管することで、大切な器材を良い状態で長く使い続けることができます。また、定期的なオーバーホールや使用前の点検を行うことで、見えない部分の劣化にも早めに対応することができます。
器材は安全に直結する大切な相棒です。日頃から丁寧にメンテナンスを行い、いつでも安心して快適なダイビングを楽しめる状態を保っておきましょう。
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