この記事でわかること
・宮古島ダイビングにおける「透明度」と「透視度」の正しい意味の違い
・地形の種類ごとに異なる、ガイド歴30年が現場で使う透視度の判断基準
・透視度が良い時期・悪い時期と、それぞれの楽しみ方
「透明度が悪い日は楽しめないんじゃないか」
宮古島ダイビングを計画するとき、そんな不安を感じたことはありますか。結論から言えば、透視度が悪い日でも宮古島のダイビングは十分に楽しめます。ただし、楽しみ方とスポット選びの判断基準は変わります。ガイド歴30年・潜水本数10,000本以上の経験があるわたし・竹内しか分からない「視界の判断基準」をお伝えします。
宮古島の美しい地形や海況情報は 宮古島ダイビングスポットをはじめ 、安心の少人数制でお届けする宮古島ファンダイビングの料金やスケジュール、ダイビング未経験者向けの宮古島体験ダイビング や宮古島ダイビングライセンス 講習の詳細は各メニューページへ。
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まず「透明度」と「透視度」は違う
ダイビングの会話でよく使われる「透明度」という言葉ですが、正確にはダイビングにおいて水中で水平方向にどのくらい見えるかを示す指標を「透視度」と言います。透明度は水そのものの清澄さを指す概念で、透視度とは厳密には異なります。
この記事では、ダイバーが現場で使う実用的な意味として「透視度」を使い、解説していきます。
地形の種類によって、透視度の影響は全く異なる
「透視度が何mあれば地形を楽しめますか?」ゲストの方からよくいただく質問です。ただ、正直に言うと、地形の種類によって答えはまったく異なります。
洞窟・ホール・ドーム系スポット:透視度よりも光と造形が主役

洞窟やホール、ドームの内部から穴越しに見る「青さ」は、背景の暗い黒に対して穴からの青みが際立つ構造になっています。台風通過直後のように透視度が10mを大きく下回る極端な状況は別として、通常のコンディションであれば、透視度が何mあるかよりも「太陽の位置・角度・天気」の方が景観への影響がはるかに大きいのです。
つまり、透視度15mの曇り空より、透視度10mでも晴れて太陽光が差し込む日の方が、洞窟内の光の演出は圧倒的に美しいことがある。これが現場の実感です。
中層移動・ドロップオフ:透視度10m以下は安全管理上の基準になる

一方、ドロップオフや中層を移動するシーンでは話が変わります。目標物のない場所での移動では、透視度が10mを下回るとゲストの安全管理に支障が出てきます。ワタシが現場でひとつの基準として使っているのがこの「10m」という数字です。
逆に、透視度25m以上になると、見渡す限りに青みが広がり、まるで空を飛んでいるような浮遊感を味わえます。宮古島の中層移動がここまで気持ちいいのは、この透視度があってこそ。
地形ダイビングの魅力については地形ダイビングの魅力とはでも詳しく紹介しています。
透視度だけで判断しない—ガイドが現場で使う総合的な判断基準
実際のポイント選択において、透視度はあくまで判断材料のひとつに過ぎません。ワタシが現場で総合的に勘案している要素はこれだけあります。
各スポットの最大深度・平均深度、どのような地形か、干潮・満潮のタイミング、何本目のダイビングか、天気・波・うねりの状況、そしてゲストのニーズとダイビングスキル。これらを組み合わせて「その日・そのタイミングに一番いい」とワタシが判断したスポットへご案内しています。透視度が低い日には低い日なりの、最高のスポットと楽しみ方が必ずあります。
宮古島の透視度が良い時期・悪い時期
一番悪い時期:6月中旬〜7月中旬(梅雨明け前後)
この時期はカーチバイと呼ばれる南西よりの季節風が吹き荒れます。ダイビングスポットは伊良部島の北側が中心になりますが、突風を伴う風の影響でインリーフの砂が舞い上がり、水深3〜10mほどの浅瀬では透視度が3〜5mほどになることも。水深10〜20mほどで透視度15m程度というのがこの時期の目安です。
一番良い時期:10月〜11月前半(宮古ブルーが最も輝く季節)
ミーニシ(新北風)と呼ばれるゆるやかな北寄りの風が吹くこの時期が、透視度のピークです。島が風を受けることでアップウェリング現象が発生し、深場の透視度の良い水がダイビングで活動する水深30m前後まで上昇してきます。日によっては透視度30mオーバーの日も多く、このような澄み切った青さを、現地ガイドは「宮古ブルー」と呼んでいます。
コンスタントに良い時期:11月中旬〜4月前半
コンスタントに透視度20〜25m、日によっては30mオーバーの日もある安定したシーズンです。宮古島の各シーズンの詳しい見どころについてはシーズン毎の見どころもあわせてご覧ください。
春先〜5月末
透視度20〜25mほどで推移します。水温も上がり始め、地形もフィッシュウォッチングも楽しめるバランスの良いシーズンです。
「透視度が悪い日でも楽しめますか?」—ワタシの答えは
「もちろん、楽しめます」と答えます!
透視度が低い日だからこそ楽しめることがあります。たとえば春先から夏にかけては、幼魚から成魚まで1ダイブの中でたくさんの魚に出会えます。同じ種でも幼魚と成魚で色や形がまったく異なるベラ科・ブダイ科の魚たちを紹介しながらのフィッシュウォッチングは、地形とはまた違う宮古島の海の楽しみ方です。

また、透視度が低い日の洞窟系スポットでは、「造形をどう見るか」によって景観がまったく変わります。同じスポットに何度も潜っているベテランダイバーの方が「今日は透視度が低い分、洞窟内の暗さと穴の青のコントラストがより際立って見えた」とおっしゃることも珍しくありません。
透視度がどうあれ、水中の安全管理は変わらない
エンリッチドエアの使用も、透視度が良い日も悪い日も、水中でのゲスト管理に変わりはありません。適切な位置取り・ガス管理・アイコンタクトを取りながらのご案内となります。
水中世界はリスクのある環境であることに変わりはなく、やることは常に同じです。透視度に関わらず安全を最優先にしているからこそ、どんな海況でも楽しんでいただける自信があります。
サンアイランドのエンリッチドエア(ナイトロックス)標準装備についてはエンリッチドエアとはをご覧ください。
🤿 ガイドの一言
透視度がいい日はもちろん最高です。ただ、透視度が悪いからといってダイビングの価値が下がるかといえば、そうではない。洞窟の黒と穴の青のコントラストは、透視度10mでも十分に美しい。大切なのは「その日の海の条件の中で、一番いいものを見せること」。それがガイドの仕事だと思っています。
まとめ
【透視度と地形の関係】洞窟・ホール・ドーム系のスポットでは透視度より光と天気の方が景観への影響が大きい。中層移動では透視度10mが安全管理上の目安になる
【現場の判断基準】透視度はポイント選択のひとつの要素に過ぎない。深度・地形の種類・潮汐・天気・波・ゲストのスキルを総合的に判断して「その日一番いいスポット」へご案内している
【透視度のシーズン】最も悪いのは梅雨明け前後(6〜7月)、最も良いのは10〜11月前半の「宮古ブルー」シーズン。冬〜春先もコンスタントに20〜25mを維持する
【透視度が悪い日の楽しみ方】洞窟系スポットの造形美、フィッシュウォッチングなど、条件に応じた楽しみ方が必ずある。透視度に関わらず、水中の安全管理は常に同じ基準で行っている
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