今日のハイライト
・「宮古島に来たら地形ダイビングがしたい」Mさんの一言が全てを語っていた。うねりが残る中、3本目にワープホールへの洞窟探検を決行。ダイビング後に皆さんが浮かべた柔らかく充実した表情が、その答えだった。
・牧山展望台下のカクレクマノミを見に行くと、前回いなかった体長1.5cmほどの幼魚が登場。ちょこまかとイソギンチャクの中を泳ぐチビちゃんに、全員が癒された。
・沈船は水深10mまで真っ白で何も見えない濁り。それでも濁りが逆に功を奏し、普段より近づけたアカククリとツバメウオ。コンディションが悪い日ならではの出会いがあった。
朝から日差しが降り注ぎ風も穏やか。一見、絶好のダイビング日和のように見えますが、そううまくはいきません。台風24号の影響で南海上からうねりが押し寄せており、一昨日は南風、昨日は北風、本日は西風と、日によって風向きが変わる不安定なコンディションが続いています。中心気圧992hPaと強くはないものの、複雑な動きを辿るこの台風は、ダイビングスポット選びの難易度を上げています。
最新の予報では明日・明後日に台風が東シナ海を南下し沖縄本島南海上へ進む見込みで、時化る予報が出ています。ツアー開催が中止になる可能性もあり、引き続き注視が必要です。
本日は全員リピーターの皆さん。サイドマウントダイバーのKさん、与那国島から2島巡りのKさん、5日間ダイビング最終日のMさん、本日から3日間のUさん・Iさんの5名様をワタシ竹内がガイド、スタッフ神尾がサポートで3ダイブご案内しました。
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海況ログデータ
・天候:晴れ
・気温:32℃
・水温:28℃
・風向:西 4m/s
・波高:3.0m
・透視度:10〜15m
ダイビングスポット
①沈船(伊良部島)
②牧山展望台下(伊良部島)
③ワープホール(伊良部島)
🤿 ガイドの一言
「潜れるのは嬉しいけど、地形ダイビングがしたい」というリピーターさんの声は、ワタシにとって最も重く受け止める言葉のひとつです。うねりがあるからといって地形スポットを完全に諦めるのではなく、「どこまでなら安全にご案内できるか」を考えるのがガイドの仕事です。今日のワープホールは、水面から水深10mほどはうねりがありましたが、洞窟入口の水深25mでは至って静か。このエリアの特性を知っているからこそできる判断でした。
ダイビングレポート
1本目|沈船(伊良部島) — 視界ゼロの濁りが逆に招いた、アカククリとツバメウオとの接近遭遇

西風が吹き、伊良部島北側の既存スポットにうねりと波があると判断し、港から最も近い沈船からスタートしました。エントリーすると水面から水深10mほどが真っ白で何も見えない状態。潜降ロープを頼りに深度を落としていくと、直前まで何もない視界の中から突然船の輪郭が浮かび上がってきました。
この濁りが意外な恩恵をもたらしました。普段は船内に根付くアカククリやツバメウオが人の気配を察知して距離を取るのですが、今日は濁りで気づかれにくかったのか、いつもより明らかに近い距離まで寄ることができました。コンディションが悪い日ならではの出会いです。
長さ50cm四方の窓枠をくぐり抜けたり、操舵室の天井に溜まった鏡のように辺りを照らす空気層も堪能。水中の沈船という非日常の空間を存分に楽しんでいただきました。
2本目|牧山展望台下(伊良部島) — パラオハマサンゴと、まさかの1.5cmカクレクマノミ幼魚の登場

本日のコンディションで最も穏やかと判断した伊良部島東海岸の牧山展望台下へ。透視度は1本目同様10mほどでしたが、まず船の下に根付くカクレクマノミに会いに行くことにしました。
前回潜ったときは体長10cmほどの個体を筆頭に大中小3匹がイソギンチャクに住み着いていましたが、今日行ってみると、なんと体長1.5cmほどのカクレクマノミ幼魚が新たに加わっているではないですか!
イソギンチャクの中をちょこまかと泳ぎ回る小さな姿に、皆さん全員が自然と手を止めてじっくり見入っていました。こういう偶然の発見が、ダイビングを何度やっても飽きない理由のひとつです。
その後、メインのパラオハマサンゴの群生へ。透視度10mの白濁した環境ですが、むしろ濁りの中で浮かび上がるパラオハマサンゴの独特な風貌が際立って見えました。沖縄地方でもこれほどの規模で見られる場所はほとんどなく、リピーターの皆さんも改めてその存在感に見入っていらっしゃいました。
3本目|ワープホール(伊良部島) — リピーターの無言のニーズに応えて、伊良部島最長の洞窟探検を決行

「潜れるのはとっても嬉しいのだけど、宮古島に来たら地形ダイビングがしたい!よねー」
2本目終了後にMさんからいただいたこの言葉が、3本目のスポット選びを決めました。
宮古島に通い続けるリピーターの皆さんが求めているのは、他のエリアでは体験できない起伏に富んだダイナミックな造形と洞窟探検です。その思いはごもっともです。そしてそのニーズに応えるのがワタシの仕事です。
確かに水深10mほどまでは大きなうねりが時折押し寄せていました。ただワープホールの洞窟入口は水深25m。そこまで潜降してしまえば、うねりの影響はほぼ感じられません。安全を確認した上で、全長20m・高さ2m・幅3mの洞窟探検を決行しました。
洞窟に入ると、透視度が午前中のスポットより明らかに良く20mほどあり、中層の青が際立っていました。皆さんは水中ライトを手に暗い洞窟の中を進み、光に浮かび上がるアカマツカサ・カノコイセエビ・ノコギリガガニを見ながら出口へ向かいました。
そして真っ暗な洞窟の奥から突然、明暗のコントラストが際立つ出口の光景が広がりました。横幅4m・高さ1mほどの出口付近に群れるアカマツカサ・ミナミハタンポ・リュウキュウハタンポの乱舞、この瞬間、ワタシの心が躍りました。
ゲストの皆さんを見ると、誰もが撮影に余念がありません。ダイビング後に皆さんを見渡すと、潜りきった達成感と地形ダイビングができた充実感が混ざったような、柔らかく穏やかな表情を浮かべていらっしゃいました。「私たちはこんなダイビングが大好き!」という声が、その表情から聞こえてくるようでした。地形スポットへご案内できてよかった、と心から思った瞬間でした。
まとめ
【沈船】水深10mまで視界ゼロの濁りの中、潜降ロープを頼りに潜った先に突然現れた船体。濁りが逆に功を奏しアカククリ・ツバメウオとの接近遭遇が実現した1本
【牧山展望台下】1.5cmのカクレクマノミ幼魚というサプライズな新顔と、濁りの中で存在感が増したパラオハマサンゴの群生。コンディションが悪い日ならではの発見があった1本
【ワープホール】リピーターの無言のニーズに応えて決行した洞窟探検。水深25mの入口では至って静か、透視度20mの中でアカマツカサとハタンポの乱舞を堪能。皆さんの充実した表情が全てを語った1本
リピーターの皆さん、生憎のコンディションの中3日間・5日間とご利用いただきありがとうございました。3本目に地形スポットへご案内できて、皆さんの表情が変わったのをしっかり見届けました。またいつでもいらしてください。お待ちしています。
明日の予告
明日は台風24号が南下してくる影響により時化る予報が出ています。ツアー開催の有無は朝のコンディション・気象予報・天気を総合的に判断して決定します。開催の有無はうみ日記でお知らせします。皆さんも安全にお過ごしください。
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