水中での姿勢と効果的なフィンキック
前回のコラム【適正ウエイトと浮力調整】で、水中を最小限の力で自由自在に移動出来る浮力調整に必要な事を理解されたと思います。
今回は、浮力調整と同じ位ダイビングを安全で楽しむ為の必須スキル【水中での姿勢】と【効果的なフィンキック】についてお伝えしたいと思います。
ダイビングは、水中活動をします。
陸上と水中の両環境を比べると、まず空気と水の密度が異なる点が重要です。
空気に比べ水中の密度はおよそ800倍高い
その結果、陸上では容易に歩いたり走ったりすることが出来ても、プールや海では陸上のように歩いたり・走ったり、素早く動くことが困難なんです。
そこで私たちダイバーは、陸上よりより高密度の環境下で活動する為に必要なスキルが【泳ぐ姿勢】と【効果的なフィンキック】になります。
では、これら2つを詳しく見てゆきましょう。
a.泳ぐ姿勢
既にご存知だと思いますが、水中は陸上より高密度環境です。
その中で、泳ぎながら生物を見たり美しいサンゴや眼下に広がる世界を楽しみます。
では、水の抵抗を最小限にする移動方法は!?
と、言うと・・・
身体を前かがみ前傾姿勢(流線型)
をとることが大事になります。
単純に前かがみになればいいでしょ!!
と、思われる方もいらっしゃるかと思いますが、幾つかの要因が絡んできます。
その要因は下記になります。
1.ウエイト量と配置
2.呼吸
3.BCD内にある空気量
4.シリンダーの重さ
【ウエイト量と配置】
適正ウエイト以上にオーバーウエイトで潜っていると、中性浮力を維持する上でBCDに必要以上に空気を入れなければなりません。
結果、BCD内の肩口から背中にかけ空気がたまり身体が起き上がる傾向になります。
ウエイトの配置は、通常鉛をベルトに通し腰に巻き付けます。
すると、重心が腰に集中することにより、BCD内に空気を入れると身体が起き上がりやすくなります。
・改善点
1.必ず適正ウエイトで潜る。必要以上にウエイトをつけすぎない。
2.ウエイト配置は、腰以外にBCDのウエイトケースに入れたり、ウエイトベストを装着するなどして分散させる。
【呼吸】
浅くて早い呼吸を繰り返してると、肺の体積変化がなく、結果身体が不安定になることがあります。
・改善点
リラックスして全身の力を抜き、ゆっくり深い呼吸を継続的に続ける。
【BCD内にある空気量】
ウエイト量に起因します。
・改善点
適正ウエイトで潜ることを心がけましょう。
BCDに給気する際、給気ボタンを押し続けると、一気に必要以上に空気が入り過ぎるますので、給気ボタンは小刻みに押し、呼吸・身体の状態を見ながら適量追加します。
【シリンダーの重さ】
・スチールシリンダーとアルミシリンダーでは水中の比重が異なることにより、ウエイト量が変わります。
・アルミシリンダーは、ガス量が少なるなるに連れ浮力がまし、水中を前傾姿勢で泳いでいても、知らず知らずのうちタンク下部がやや上に浮き気味になりやすく前傾姿勢を保つのが困難になることがあります。
・改善点
1.各シリンダーについて比重や浮力変化を考慮し、ウエイト量を調整する。
2.アルミシリンダー使用時は、ガス量減少でシリンダーの浮力が発生する事を考慮し、タンクベルトにウエイトを装着する。
以上、4点を理解し、水の抵抗が最小限で移動できる前傾姿勢(流線型)を心がけましょう。
b.効果的なフィンキック
水中は、陸上と異なる高密度な環境を継続的に活動するダイビング。
移動の際、フィンキックを素早く動かしてしまうと、効果的に水をかき分けることが出来ず、フィンキックし続けてもなかなか進みませんし、活動量が増えることにより息が上がり呼吸が早くなり、身体の姿勢にも影響がでてきます。
ダイビング中、浮力調整がなされ前傾姿勢(流線型)がとれていれば慌てることはありません。
自分の体力の限界を理解した上で、ゆっくりとペースを一定に保つキックサイクルが重要になります。
素早いフィンキックをし続けないでください。
フィンキックをする際、足の使い方としては、基本バタ足若しくは両足を大きく広げ開脚する【あおり足】になります。
バタ足の際、膝を上下に動かすのではなく、膝から足首は力を入れず伸ばし、太ももを上下に約20度前後動かし足先に履いているフィンが効率よく水をかき分けるよう動かしましょう。
両足を大きく広げ開脚する【あおり足】は、平泳ぎの足の使い方に近いですが、開脚の際、膝を曲げすぎると股が大きく広がりすぎ効果的にフィンが水をかき分けることができません。
足の力をぬいて、膝が曲がり過ぎない・股が大きく広がらないことをイメージして泳いでみてください。
いかがでしたでしょうか!?
ダイビングは継続的に水中で活動を行います。
その際、動き過ぎによる疲労や過呼吸は、いろんなトラブルの要因となってきます。
【浮力調整】【水中での姿勢】【効果的なフィンキック】が出来ると、ダイビングの楽しさは増すばかりか、水中で起こりうるトラブルの予防もできます。
ダイビングに出掛けた際、いろいろお試しください。
では、また。
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投稿者:たけ
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