到着日のダイビングは可能?飛行機搭乗時間と「減圧症リスク」の正しい知識
宮古島への旅行が決まり、真っ青な海を目の前にすると「一刻も早く潜りたい!」と思うのはダイバー共通の願いです。
しかし、ダイビングと飛行機移動には、切っても切れない「減圧症」というリスクが隣り合わせであることを忘れてはいけません。
今回は、宮古島に到着した当日のダイビングの可否や、なぜ最終日に潜ることができないのか、そして最新の安全対策として注目される「エンリッチドエア・ナイトロックス」のメリットについて、プロの視点から詳しく解説します。
到着当日のダイビングは「条件付きで可能」、しかし潜水後の飛行機は「絶対にNG」
まず結論からお伝えします。
宮古島に飛行機で到着した当日にダイビングをすることは「可能」です。
実際に、午前中に宮古空港や下地島空港に到着し、午後からボートやビーチで潜るスケジュールを組むダイバーもいらっしゃいます。
ただし、その逆、つまり「ダイビングをした直後に飛行機に乗ること」は、医学的に厳禁とされています。
このルールの背景には、私たちの体内に溶け込む「窒素」と、周囲の「気圧」の関係が深く関わっています。
宮古島の美しい地形を楽しむためには、まずこの「安全のボーダーライン」を正しく知ることが、楽しい旅の第一歩となります。
なぜ「潜った後の飛行機」は危険なのか?減圧症のメカニズム
なぜ、ダイビング後に飛行機に乗ってはいけないのでしょうか。
その理由は、ダイビング中に私たちの体がさらされる「圧力」の変化にあります。
1. 体内に溶け込む「窒素」
私たちがダイビングで吸っている空気(シリンダー内の空気)の約78%は窒素です。
水中では水圧がかかるため、この窒素が血液や組織の中に、普段よりも高い濃度で溶け込んでいきます。
水深が深ければ深いほど、また潜水時間が長ければ長いほど、体内に蓄積される窒素の量は増えていきます。
2. 飛行機内の「低圧環境」が引き起こす問題
ダイビングを終えて陸に上がった後、体内の窒素は時間をかけて呼吸とともに排出されていきます。
しかし、排出が不十分な状態で飛行機に乗るとどうなるでしょうか。
飛行機の客室内は、高度1万メートルを飛行中、地上よりも気圧が低い状態(標高2,000m程度の山の上にいるのと同じ状態)に調整されています。
急激に周囲の圧力が下がると、体内に溶けていた窒素が「気泡」となって現れ、これが「減圧症」の原因です。
- 血管の中で気泡化すれば: 脳梗塞や心筋梗塞のような症状
- 関節や組織の中で気泡化すれば: 激しい痛みやしびれ
これらのリスクを回避するために、ダイビング後は窒素が十分に抜けるまで、一定時間の待機が必要となるのです。
3. 到着直後のダイビングに潜む「隠れたリスク」
「到着してすぐに潜る」こと自体は気圧の変化(低圧→高圧)という観点では問題ありません。
しかし、飛行機移動による以下の要因が、減圧症のリスクを間接的に高めることが分かっています。
- 脱水症状: 飛行機内の湿度は非常に低く、体は乾燥しています。血液がドロドロの状態で潜ることは、窒素の排出効率を下げ、減圧症を引き起こしやすくします。
- 寝不足と疲労: 旅行の興奮や移動の疲れは、体の代謝機能を低下させます。
「到着日はOK」とは言え、無理なスケジュールは禁物です。
安全に宮古島を潜り尽くすための新常識
では、具体的にどのような対策を立てれば、安全かつ効率的に宮古島の海を楽しめるのでしょうか。
① 「18時間〜24時間ルール」を守るスケジュール管理
一般的に、1日に複数回のダイビングを行った場合、飛行機搭乗まで最低「18時間」以上空けることが推奨されています(PADI等の指導団体基準)。
宮古島ダイビングを目的でお越しになられた際の推奨スケジュールとしては、以下のような3泊4日の旅程が理想的です。
- 1日目: 午前到着後、ボートダイブ(チェックダイブを兼ねて2ダイブ)
- 2日目: 本格的にボートダイビング(3ダイブ)
- 3日目: 午前2ダイブ本潜り、午後船上待機
- 4日目: 帰路の飛行機へ
このように、飛行機搭乗される時間から逆算し、ゆとりを持ってダイビングツアーに参加されるのが、宮古島を遊び尽くすダイバーの賢い選択です。
② エンリッチドエア・ナイトロックス(EANx)の導入
近年、宮古島の地形ダイビングで標準になりつつあるのが「エンリッチドエア・ナイトロックス」の使用です。
通常の空気よりも酸素比率を高め(通常21%→32%〜36%)、その分、窒素の割合を減らした呼吸器用ガスの総称です。
このガスを使用するメリットは絶大です!!
- 減圧症リスクの軽減: 体内に取り込む窒素そのものが少ないため、体内残留窒素量を低く抑えることができます。
- 無減圧潜水時間(DECOまでの時間)の延長: 宮古島の地形ポイント(魔王の宮殿など)は水深が20mを超えることが多いですが、エンリッチドエア・ナイトロックスを使えば深い場所でも余裕を持って滞在できます。
- ダイビング後の疲労感の軽減: 多くのダイバーが「ナイトロックスで潜ると、上がった後の体が楽」だと実感しています。到着日の疲れが残っている体には、非常に有効な選択肢となります。
サンアイランドでは、エンリッチドエア・ナイトロックスの専用シリンダーを完備しており、追加料金なく資格取得者はご利用できます。
ライセンス(SP講習)は常時開催しており、学科オンライン学習で宮古島では実習メインで取得可能です。
賢いダイバーは「知識」と「エンリッチドエア・ナイトロックス」でリスクコントロールする
宮古島でのダイビングを最高の思い出にするために
「到着日は体調を優先し、最終日の飛行機搭乗まではしっかり時間を空ける」
と、いうルールを徹底することが大切です。
そして、さらに一歩進んだ安全策として「エンリッチドエア・ナイトロックス」を選択肢に入れてみてください。
窒素の蓄積を抑えることは、万が一の減圧症リスクを減らすだけでなく、翌日のダイビングをより軽快に楽しむための「体のケア」にも繋がります。
「自分の到着便の時間で、初日は何本潜れる?」「ナイトロックスを初めて使ってみたいけど…」
と、いった疑問や不安があれば、ぜひお気軽にサンアイランドへご相談ください。
宮古島の美しい地形、そして神秘的な光の柱を、最高のコンディションで体験していただけるよう、私たちが全力でサポートいたします。
関連リンク
投稿者:竹内修治
2026/01/16 | うみコラム エンリッチドエア・ナイトロックス, 減圧症, 飛行機搭乗
関連記事
-
-
水中でマスクに水が入らないようにするには?
こんにちは!スタッフの神尾です。 突然ですが、皆さま普段のダイビングの...
-
-
スノーケルを装備して安全で楽しいダイビングを
こんにちは!スタッフの神尾です。 突然ですが皆さんはダイビングをする時...
-
-
ウエットスーツはなぜ必要なのか
こんにちは!スタッフの池田です。 皆さんはなぜダイビングをする時はウエ...
-
-
地形好きにはたまらない!全長20mのケーブダイビングを楽しめる『ワープホール』をご紹介!
こんにちは!スタッフの池田です。 春先から秋口までがシーズンとなる伊良...
新着記事
-
-
【2026/1/15 宮古島ダイビング海況】朝一番で「中の島チャネル」での光の差し込みが凄かった~!今日の見所・感想
こんにちは! サンアイランドスタッフ竹内です。 昨日から移動性高気圧に...
-
-
2日間マンツーマンで初の宮古島ダイビングを満喫
皆さま、明けましておめでとうございます!スタッフの神尾です。 2026...
-
-
仲良し親子と初めての宮古島でガッツリ地形ダイビング
こんにちは!スタッフの神尾です。 本日は仲良し親子のファンダイビングを...
-
-
400ダイブ達成!!おめでとうございます🎉
こんばんは!スタッフの池田です。 本日はリピーターのMさんが遊びに来て...


コメント/トラックバック
トラックバック用URL:
この投稿のコメント・トラックバックRSS