適正ウェイトと浮力調整
ダイビング器材を用い、水中世界を楽しむ上で必要不可欠な事が3つあります。
1.浮力調整
2.効率的なフィンキック
3.ゆっくりと深い安定した継続した呼吸
この3つが出来て、はじめていろんな環境下でのダイビングを楽しめます。
今回は、ダイビングの中で最小限の力で水中を自由自在に泳ぐ為にダイビングにとって不可欠なスキル【浮力調整】についてお知らせしたいと思います。
一言で【浮力調整】と言っても、ピーンとこない方も多いと思います。
そこで、まず私たちダイバーに浮力の影響を与えているものをお知らせします。
1.保護スーツ
ウエットスーツは気泡をゴムで覆ったもので、3mm・5mm・7mmの素材のもの、そして現地ガイドダイバーが着用してるスキンスーツはゴムの切りっぱなしのもの。
本州などメインで潜られてる方はドライスーツを着用してる方も多いですが、これらスーツ類はすべて浮くプラス浮力です。
※但し温帯地域で使用されるフィットスーツなどは体温保護より外傷予防をメインで考えられており、素材自体の浮力はあまりありません。
2.ウエイト
保護スーツのプラス浮力を相殺するために腰又はBCDに装着します。
素材が鉛を使うのが一般的でこれは沈むマイナス浮力です。
3.シリンダー
日本で一般的なスチール・メタリコンシリンダーと、海外で流通してるアルミシリンダー。
これら2つは、実は浮力について異なる性質をもちます。
ここではシリンダー容量10Lを比べてみます。
スチール・メタリコンシリンダー
残圧に関係なく、水中では3~4kgほどマイナス浮力。
アルミシリンダー
残圧200時はマイナス1.5kg、残圧150時はマイナス0.5kg、残圧100時はプラス1kg。
ガス量が少なくなるにつれ浮力が出てくるのが特徴。
4.BCD(浮力調整器具)
シリンダーからガスをBCDに加えるとプラス浮力になる。
5.呼吸
浅くて早い呼吸は、肺の体積変化があまりなく常に空気で肺が満たされてる状態なので、ややプラス浮力傾向。
ゆっくり深い深呼吸は、一定のリズムで肺の体積変化が起こることによりプラス・マイナス浮力の両方になる。
6.フィン
私たちが水中で泳ぐ為に使用するフィン、実は素材により浮力がことなります。
プラスティック製のものプラス浮力。
ゴム・樹脂製のものマイナス浮力。
以上、6つが私たちの浮力の影響を与えてます。
ダイビングスキルの上達のためには、これらの項目をしっかり認識する必要性があり、そこで器材などの組み合わや前回のダイビングの期間や自分の状態に合わせウエイト量を調整してゆきます。
今回使用するシリンダー・スーツで、自分が一体何キロウエイトを装着すればいいのだろ???
と、思う方は、ダイビングを始める前に適正ウエイトの見方を実施し、確認してください。
適正ウェイトの見方
1.ある程度の目安でウエイト・ダイビング器材を装着し足のつかない水域に入る
2.レギュレターで呼吸をし、BCDに入ってる空気を徐々に抜く
3.全て空気を抜けきた際、水面が目の位置にくる。
呼吸をしてるので、若干水面にくる位置は変わりますが、目線辺りにくる位のウエイト量が適正になります。
適正ウエイトで潜ったとしても、水面での浮力を相殺の為に必要なウエイト量になり、潜降してゆけば外周囲圧によりスーツも圧縮され浮力を失うので、どんどん沈んでしまいますので、適宜、BCDやドライスーツに空気を給気しなくてならないこと、忘れないでくださいね。
ゲストの方から
・ よく潜降しやすいから
・ 10mを過ぎた位から浮くのがイヤ
・ 水中写真を撮るから、身体を安定させたい
との理由により
適正ウエイトから若干重めをご希望の方もいらっしゃいますが、ウエイト量が重くなることにより、深度下で中性浮力を保つために必要以上の量をBCDに吸気しなくてはならず、それにより身体は流線型から上体が上がり泳ぐ際に水の対抗をかなり受けてしまったり、ちょっとした深度を上げることによりBCD内に吸気された空気が膨張し、プラス浮力になりやすくなり、BCDの給排気の操作も多くなります。
潜降時、BCDの空気が抜けることにより、水底に行く潜降スピードが早まり、圧平衡が困難になるケースや体制が崩れるリスクも高まるます。
ダイビングを快適に楽しむ上での浮力調整のコツは
必要以上にウエイトを付けすぎない!!
アルミシリンダー使用の際、ダイビングスタート時、若干重めですが、ガス消費とともに浮力が発生してきます。
ダイビング終了前、水深5mに3分の安全停止をしてる時にシリンダーの浮力発生することも加味した上で、若干重めでのダイビングをなさってください。
ダイビング中、深場へ行けば行くほど圧力が増大し、保護スーツを圧縮し浮力がどんどん減少し、私たちの身体は水底に着底気味(マイナス浮力)になってしまいますので、BCDに空気を給気し浮力を確保します。
その時、どの位空気を入れていいのか!?
と、よく伺いますが、目安として
ずっとフィンキックしなくても身体がその水深に維持できる程度
あと、周りの景色や水中での岩などを指標としたり、ダイブコンピューターをモニターすることにより深度変化はわかります。
深場でBCDに浮力を確保した空気は、深度が浅くなると膨張し浮力が増します。
特に水深10mから水面までは、圧力が2気圧から1気圧に変わり、膨張率が2倍になるため急浮上しやすくなります。
急激な浮力が発生する前に、移動しながら徐々にBCDの中にはる空気を抜き、常に中性浮力の状態をキープしてください。
どうぞ、浮力調整をしっかり行い、楽しいダイビングをなさってください。
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投稿者:たけ
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