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シリンダーについて

こんばんは! 竹内です。

ダイビングは、器材に依存したレジャーとなります。

ダイビングライセンスコース(オープンウォーターコース)で、器材全般についてご紹介され、マスクやレギュレーター、BCD等は、肌身に直接付けるものですし、その器材の原理や素材等お分かりの方も多いと思いますが、意外にシリンダーに関しあまり知らない方もいらっしゃるかと思うので、今回は「シンダー」についてご紹介してきますね。

 

■構造
ガスを貯めておく筒状部はアルミとスチールの2種に、ガスの開閉及びレギュレーターのファーストステージを接続する真鍮でできたバルブを合わせたもの。
シリンダー
以前国内では「タンク」や「ボンベ」と呼称されておりましたが、海外では「シリンダー」と呼ばれており、現在では日本国内でも海外と統一し「シリンダー」となってます。

 

 

■素材
国内で一般的に使用されているスチールシリンダーと、アルミシリンダーがあります。
スチールシリンダーとアルミシリンダー
(左:スチールシリンダー、右:アルミシリンダー)

どちらも10Lと同じ容量となりますが、上記画像をご覧の通り大きさに違いがあります。

では、スチールシリンダーとアルミシリンダーの特徴をご案内します。

 

a.スチールシリンダー
・素材自体が比重が重く、容器の厚さを薄くても許容圧及び強度がある。

・日本国内で製造され、シリンダー1本から受注ができる。

・サビや電飾防止の為に、シリンダー表面にメタリコン(亜鉛)塗装、内面には電気メッキ塗装を施してる。

・シリンダー検査は、5年/1回の耐圧検査のみ。

 

b.アルミシリンダー
・素材自体が柔らかくアルミ単体ではなくアルミ合金で作られてる。スチールに比べアルミ合金は強度が弱く肉厚にすることにより許容圧や強度を保つ。

・製造は、アメリカ及びヨーロッパで製造され、ある程度本数及び仕入れる事ができない。

・シリンダー検査は、5年/1回の耐圧検査、1年/1回の内視検査。

 

スチールシリンダーとアルミシリンダーを比べると、スチールシリンダーの方がコンパクトで耐圧検査だけ、且つシリンダー1本から受注ができるということで、国内ではスチールシリンダーが一般的

では、海外に目を向けると実は日本とは逆で、アルミシリンダーの流通量が多く、アルミシリンダーが一般的。スチールシリンダーはアメリカ・フロリダ半島周辺及びごく一部のみ。

 

製造や流通・受注等の兼ね合いで、日本国内はアルミシリンダーよりスチールシリンダーが一般的ですが、それ以外にも理由が。

それは、世界でアルミシンダーの爆発事例が10件ほど過去にあったから。

爆発の事故を調査すると、アルミ合金の容器にバルブの真鍮をねじ込むような構造で、海水で使用していると電蝕により徐々に容器の上部にあるバルブのねじ込み部に細かいクラック(ひび割れ)が起こり、充填中(加圧中)にバルブ部のクラック部が圧に耐えられず爆発したものでした。

爆発したシリンダー容器を調べわかった事は、1980年代に製造されたあるロッドのアルミ合金の容器でした。それ以降、メーカーは、アルミ合金の材質改善を図り、1995年代以降、アルミシリンダーの爆発は現在の所ありません。

ただし、過去アルミシリンダーが上記事故があった為、国内ではダイビング用アルミシリンダーは、内視検査/1年行うこととなり、容器内部をはじめ、バルブねじ込み部のクラックを目視でチェックし、安全なアルミシリンダーしか流通してませんのでご安心ください。

アルミシリンダーは、耐圧検査と内視検査が必要というのも国内で流通しない要因の一つともいえます。

 

 

■では、ダイビングで使用した際の違いはあるの!?
a.スチールシリンダー
・アルミシリンダーと同容量を比べると小さい。

・比重が重く、常に背中から腰にシリンダーの重さを感じる。

・シリンダーが重量があるので、ダイビングスタート時から適正ウェイトで潜ることができる。

 

b.アルミシリンダー
・スチールシリンダーと同容量の比べると大きい。

・ガス圧によりシリンダーの1~2kgほど浮力がでてくる。ダイビング終盤、水深5mで安全停止ができる位を適正ウエイトとして装着するので、ダイビングスタート時はややオーバーウェイトとで潜らなければならない。

・水中では、スチールシリンダーに比べ比重が軽く、背中から腰にかけスチールシリンダーのような重さを感じることがない。

 

◎ここポイント!!
スチール・アルミ違いはありますが、どちらを選択するというよりダイビングショップで用意してるシリンダーを使用するのが一般的です。ですので、どちらのシリンダーを使用する際は、これらの事を知る事により、ウエイト量やシリンダーに対しBCDの位置など考慮する事が、水中での浮力調整や姿勢にとても重要ですよ!

 

 

さて、シリンダーの素材やそれらの特性をお分かりになったかと思います。

次は、シリンダーの刻印について。
シリンダーについて
シリンダー上部に情報を打刻されており「刻印」と呼んでます。

ダイバーなら知っておいた方がいい刻印をご紹介します。
数字の前につくアルファベットの次に数字となります。

a.W(シリンダー重量)
シリンダー刻印,重量
重量は14.2kg

 

b.V(内容積)
シリンダー刻印(内容積)
内容積11.2L

 

c.FP(最大充填圧力)

最大充填圧力19.6M(200bar)

 

d.S(内視検査年月)
シリンダー刻印(内視検査)
内視検査の打刻は、末尾にアルファベットSがつきます。画像下の2Z20Sは「2020年2月に内視検査実施」を意味します。

 

e.L(耐圧検査)
耐圧検査日
耐圧検査の打刻は、数字の間にアルファベットLがつきます。画像黄色の04L18は「2018年4月に耐圧検査実施」を意味します。

 

f.充填ガス名
シリンダー刻印
AIR+o2→エンリッチド・エア・ナイトロックス
AIR→空気

 

器材セットする際、シリンダー表面にサビや変形がないか。そして、次にこれらの刻印を確認してくださいね。特に耐圧検査の所はよく見て、万が一検査切れのシリンダーは使用しないでください。

上記刻印は、日本国内の法令「高圧ガス保安法」に定められた刻印となり、海外の場合は当てはまりません。予めご了承ください。

 

スチールシリンダー10Lと12Lでは、内容積が変わることにより重量が変わります。それに伴い、同じ装備・スーツで潜るときシリンダーの重量の差をウエイトで調整する事によりオーバーウエイトやウエイトが軽い状態を防ぐ事ができます。

 

◎ここポイント!!
ログブックにシリンダーの素材・内容積・重量など明記しておくと、次回のダイビングをする際、ウエイト決定の参考となりまよ!!
ぜひチェックしてくださいねー。

 

 

あと、皆さんに知っておいて頂きたいのがシリンダーの管理について。

シリンダーは、高さ・重さがあり使用しない際、立てたまま放置をすると、万が一倒れバルブの破損をはじめ、人が近くにいる際、ケガをすることあります。使用しなときは、シリンダーを倒し両脇をウエイトやフィン等で固定してください。

ボートダイビングの際、船上でシリンダー交換をする際は、船上が揺れてますので十分に注意してください。

 

シリンダーに器材を装着する際、バルブ部を持つ事が多いと思います。
バルブ
実は、このバルブの持ち方があるんです。

 

画像の左にある黒い物体が「ハンドル」となり、ここを回すことによりガスのON/OFFを操作しますが、このハンドル部だけ持って動かすのはできる限りやめましょう!
シリンダーの持ち方1

なぜかというと、ハンドル部の太さでシリンダーの重さを支えてるのではなく、真ん中に3mm角の真鍮でできた「ステム」という部品が入っており、シリンダーの全重量をこの細い「ステム」で支えることになります。
ステム
上記画像金属「ステム」

この細い「ステム」の強度だけでは、流石にシリンダーの重さに耐えるる事ができず「ステム」が曲がり、結果としてハンドルの開閉がしずらくなったり、バルブとハンドルの間からガス漏れなど起こるなど、トラブルの原因につながるんですよー。

 

ですから・・・

 

◎ここポイント!!
バルブ3
「ハンドル」の反対側の突起に指をかけ、ハンドルにはできる限り触れずバルブ部の左右の突起をもち手のひら全体で扱うように。

 

次回ダイビングの際、よ〜くシリンダーを見てくださいねー。

最後までご覧いただき有難うございました。

 

 

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投稿者:たけ

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