宮古島でエンリッチドエア・ナイトロックスを使用したダイビング
通常エアと少し違うちょっと気になるシリンダー。エンリッチド・エアまたはナイトロックスという言葉。
実は我々スタッフも常時使用している、宮古島で潜るなら必須!と言っても過言ではないスーパーアイテムなんです!
資格保有者であれば誰でも使用でき、製造できる施設も各地で増えているため、実際に使用されている方も多いのではないでしょうか。
ではなぜあえてそれが使用され、そこまで多くのダイバーに人気なのか。そもそもエンリッチド・エアって何ー?
今回の海コラムでは宮古島でのエンリッチド・エアを使用したダイビングをキーワードにお話します!
エンリッチド・エアとは?
言葉の意味としては
・エンリッチド・エア(Enriched Air)は、Nitorogen(窒素)とOxigen(酸素)を組み合わせた造語
・酸素濃度が21%より多い酸素と窒素の混合ガスであれば全てエンリッチド・エア
(宮古島で使用されるエンリッチド・エアは基本酸素濃度32%ですが調節も可能です。)
・呼び方としてエンリッチドエアナイトロックス、ナイトロックス、EAN等あるが全て同じ
通常エアが21%の酸素と78%の窒素で構成されているのに対して、エンリッチド・エアはそれより多くの酸素とそれより少ない窒素で構成されているということです。通常エアに比べて酸素濃度が高い気体を使用することで体内に溜まる窒素の量を抑えることができ、減圧症のリスクを大幅に減らすことが出来ます。
使用するメリットとデメリット
メリット
・減圧不要限界(その深度にいられる時間)が延長される
・複数日に及ぶ反復潜水でも全体的な窒素の蓄積を減らす
・残留窒素が少なくなる分、飛行機搭乗までの時間が短くてすむ
・ダイビング後の疲労感の軽減(個人差アリ)
具体的な減圧不要限界の差
通常エアと宮古島で多く使用される32%のエンリッチド・エアを例として減圧不要限界を見比べると、その差は一目瞭然。
水深18m 通常エア56分、エンリッチド・エア95分
水深22m 通常エア37分、エンリッチド・エア60分
ということは、あの景色をもっと長く見ていられる。
あの生物ももっとじっくり観察できる、撮れる。
宮古島ダイビングの特徴で最大水深25m前後のポイントが多く、1日3ダイブが主流な宮古島ダイビングではエンリッチド・エアの使用が非常に有効なんです。
宮古島ダイビングに限らず疲れを感じやすい方、連日ダイビングをされる方、フォト派ダイバー、シニアダイバーと挙げたらキリがないですがそれだけどんなダイビングにも有効的。つまり、安全にダイビングを楽しんで頂くため全てのダイバーにエンリッチド・エアの使用をオススメします!
とはいえただ単純にエンリッチド・エアだから減圧症にならない、安全と考えてしまうと実は危険。
前提として安全なダイブプロフィールで通常エアと同条件(水深・時間)で潜る場合はリスクが軽減されるだけであって、エンリッチド・エアでも無茶なダイビングをすれば減圧症にならないわけではありません。使用方法を注意しなければエンリッチド・エアならではのデメリットも発生します。
デメリット
・酸素中毒の危険性
・エンリッチド・エアに対応した器材が必要
・追加料金が必要
水深30mを超えると酸素分圧が高くなり、酸素中毒の危険性が出てくるためエンリッチド・エアを使用する際は酸素分圧の
許容限界(1.4bar)
絶対限界(1.6bar)
が決まっています。
こちらも宮古島で多く使用される32%のエンリッチド・エアを例とすると
許容限界 34m
絶対限界 40m
です。
★宮古島のポイントに当てはめて『アントニ・ガウディ』『女王の部屋』等の34m以深に滞在したいダイビングの場合は、酸素濃度を28%に調節することで許容限界内(40m)でのダイビングが可能になります!
器材について、酸素濃度が高くなる分酸素に関わる化学反応(酸化・劣化・火炎・爆発)が器材内で起こりやすくなります。一般的なガイドラインでは最大40%のエンリッチド・エアではそのまま使用できるとされていますが、一部の地域や器材メーカーではそのままエンリッチド・エアの使用が出来ない場合もあります。メーカーの奨励する手順に従って下さい。
これらのデメリットを理解した上で正しい使い方をすれば、エンリッチド・エアを使用するに越したことはありません!
当店ではエンリッチド・エアシリンダー無料
より安全に、より安心に、より楽しめる。
これは毎日常時使用している我々スタッフが1番に実感しているかもしれません。だからこそ皆さんにオススメしたいし、是非使って頂きたいです。
当店は宮古島で唯一ダイビングサービスでエンリッチド・エア・ナイトロックス充填施設を併設しており、ファンダイビングで追加料金なくエンリッチド・エアタンクをご利用いただけます。
ただしエンリッチド・エア使用は、エンリッチド・エアの資格保持者のみに限ります。
お持ちでない方もこの機会に是非取得されてみてはいかがでしょうか。
分圧測定・減圧不要限界の見比べ・エンリッチド・エア設定をしたダイブコンピューターの許容限界内でのダイビング等正しい知識を学び実際に使用し、ファンダイビングと合わせ受講できるPADIエンリッチド・エア・ダイバー・スペシャリティーコースも常時開催しています。
投稿者:みき
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