ゴマモンガラの習性を理解しよう!
こんにちは!スタッフの池田です。
突然ですが皆さん、ゴマモンガラはご存知ですか?成長すると体長60cmほどになり、頑丈で鋭い歯を持った魚です。このゴマモンガラですが、ダイバーの間では凶暴で危険な魚と知られています。
今回はより安全にダイビングを楽しめるよう、そんなゴマモンガラの生態についてご紹介していこうと思います!
ゴマモンガラは危険な魚!?生態を知って安全にダイビングを楽しもう!
沖縄など暖かい地域でダイビングしているとよく見るゴマモンガラですが、どんな魚なのでしょうか?
ゴマモンガラってどんな魚?
ゴマモンガラはフグ目モンガラカワハギ科に分類される魚でモンガラカワハギ科の中では最大の種類です。インド洋〜太平洋と広く分布していて、日本では神奈川県辺りより南の太平洋岸に生息しています。沿岸のサンゴ礁や岩礁帯を主に生息しています。
頑丈で鋭い歯を持っており、その歯を使って貝類や甲殻類、サンゴ礁を噛み砕いてエサにしています。ダイビングやスノーケルをしている時もよく目をキョロキョロ動かして口でサンゴなどをつついているのを目にします。
ゴマモンガラの危険性
ゴマモンガラは縄張り意識がとても高い魚です。非常に攻撃的で魚類や甲殻類、貝類などの生き物が縄張りに近づいたら追いかけ回したり、噛みついて攻撃します。身体の大きさが数倍もある人間に対しても怯まず攻撃してきます。実際にダイバーが襲われた事例も…
実際にゴマモンガラの攻撃を受けたダイバーの体験談ですが、『ダイビング中にカメラに夢中になり縄張りに入っているのに気づかずゴマモンガラが頭にぶつかっておでこを噛まれた。噛まれた時は頭が真っ白になるという表現がわかるような強烈な痛みを体験した。』だそうです。他にも『ダイビング中に後ろからふくらはぎを噛まれて5ミリのウエットスーツを着用していてもあざと痛みが残るくらい強烈』とお話を聞きました。話を聞いただけでもなんだか痛く感じるし怖すぎる…
ですが、安心してください!年がら年中ゴマモンガラが追いかけ回したり噛みついたり襲ってくるわけではありません!そしてしっかりと対策法を知っておくことでゴマモンガラに襲われて怪我をする心配もありません。
ゴマモンガラは繁殖期になると警戒心がとても高くなります。繁殖期は卵を守るために縄張りの中に侵入した生き物(ゴマモンガラからしたら敵)を必死に追いかけて追い払ったり、噛みついて攻撃したりするのです。ゴマモンガラはただ卵を守りたいだけなんです!魚たちも私たち人間と同じです、自分の大切なものを壊されそうになったりしたらそれは怒りますよね。
繁殖期は6〜9月と言われていますが、ゴマモンガラの繁殖活動には水温が関係しています。ゴマモンガラは水温が高い時に産卵するという生態で水温25℃以上になると繁殖活動をはじめます。条件が揃えば繁殖活動を行うため、9月を過ぎても繁殖活動を行ってる可能性が大いにあります。もう10月だからといって油断は禁物です!繁殖期の行動や特徴を知って見極めることが必要です。
何も知らない状態だとゴマモンガラに襲われて怪我をするだけでなく襲われたことでパニック状態に陥り、他の事故に繋がる危険性も高くなります。ですから、しっかり繁殖期の行動や対策法を知る必要があります。
ゴマモンガラに襲われないために知っておくこと
繁殖期の行動、縄張りの特徴
ゴマモンガラは砂地の岩にすり鉢状の巣をつくり産卵、卵を保護します。卵はピンク色や黄色で目立つ色をしていますが、岩の隙間に隠れていたりサンゴなどと擬態している場合が多くわかりづらくなっています。直径30mほどのエリアの中心をオスとメスで守り、1匹のオスの縄張りに複数のメスが暮らしている場合もあります。
産卵準備中はその場にとどまっていることが多く、縄張りの範囲は狭いですが近づくと攻撃してきます。ゴマモンガラが口で砂をまきあげて穴を掘っている様子をベラなどの小さめの魚がエサがあると勘違いして縄張りに入ってしまい、追い払われる姿などが見られます。卵を産んだら縄張りは広くなり、自分より大きい魚でも追いかけ回したり攻撃して襲うようになります。追いかけたり泳ぐ時は直線的に泳ぐのが特徴です。
もし遭遇した場合の逃げかたと大切なこと
上記のような行動や縄張りを目にした際はすぐにその場から離れて絶対に縄張りに入らないようにしてください。ゴマモンガラは体長も大きく比較的目立つ見た目をしているので見つけやすいかと思います。また目をよく動かしているので目線を向けない、合わせないことも大切です。
もし縄張りに入ってしまったらまずは落ち着いてください。そして直ちに縄張りから出てください。ガイドさんに知らせるのも大切ですね。縄張りから出る時は横移動で移動してください。縦移動をして一気に水深を上げてしまうと浮上速度がはやくなり身体への負担が大きくなり大変危険です。縄張りは直径30mと広いので、ただ横移動で逃げるだけではなく周りをしっかり確認して縄張り、巣を作る岩場では無い方向に逃げてください。
ゴマモンガラに襲われないためには生態と対策法を知っておくことはもちろん重要ですがそれと同時に視野を広くすることがとても大切になってくると思います。これはダイビングをする上でとても大切です。視野を広くし周りをきちんと確認して行動することでゴマモンガラや縄張りに気づかなかったということにはならないでしょうし、被害に遭う可能性も低くなると思います。ゴマモンガラも水中生物です。追いかけられたからといって私たちがゴマモンガラに攻撃するなどは絶対に避けたいです。逃げる時もサンゴなどの水中生物を傷つけないように注意が必要ですね。
スノーケリングでも注意!
スノーケリングをする浅い場所でも巣をつくるのでダイビングだけでなくスノーケリングの際にも注意が必要です。サンゴ礁などゴマモンガラが生息している場所に行く際は事前に調べて確認したり、ガイドさんに聞いて確認してみるのも良いですね。繁殖期では無い時期は特に攻撃してくるなどの凶暴な行動は見られないですが、適切な距離を保って観察するようにしてくださいね。
繁殖期が水温が高い時期と夏休みの時期が重なり沖縄の海に遊びに行かれる方が多いと思います。しっかりとゴマモンガラの生態を頭にいれて確認し、安全にダイビングやスノーケリングを楽しみましょう!
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投稿者:いけ
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